Amazonを創業した偉大なるエンジニア、ジェフベゾスとは?

ベゾスは優秀なエンジニアだった

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ベゾスは「ウォール・ストリートの金融機関から転身した異色のIT起業家」と紹介されることがあります。間違いではないが、やや誤解を招く表現ですね。ベゾスはプリンストン大学でコンピュータ科学を学んだ後、「将来起業するならビジネスのことを知っておいたほうがいい」と考えてニューヨークの金融機関に職を求めました。

しかし、あくまでコンピュータ通信システム構築のエンジニアとして働いたのであって、金融の実務に携わったことはありませんでした。ベゾスは優秀なエンジニアとしてすぐに頭角を現し、バンカーズ・トラストで最年少の副社長となります。

そこに1990年、D.E.ショーという異色のヘッジファンドから誘いがかかりました。それからD.E.ショーに移籍し、わずか2年という速さでシニア・ヴァイス・プレジデントへ昇進しました。しかし、1994年にWorld Wide Webの利用率が増加していることに気が付き、退社し妻と共にシアトルへ移住。

ベソスにはeコマース事業(コンピューターネットワーク上での電子的な情報通信によって商品やサービスを売買したり分配したりすること。消費者側からはネットショッピングとも呼ばれている。)が将来的に大きなビジネスチャンスになるであろうという先見の明があったそうです。本当に、神様のような先見の明ですね。それから、1994年にインターネット書店を開業します。翌1995年にはAmazon.comとして正式にスタートし1997年には株式公開を果たします。

ベソスはまさに、インターネット・バブルの成功者の一人となり1999年にはタイム誌のパーソン・オブ・ザ・イヤーに選出されました。その他2000年には民間宇宙開発企業のブルーオリジンを設立したり、個人的投資会社のBezos Expeditionsを設立し、様々な企業への出資を行っています。その他、カーネギーメロン大学からの名誉博士号やワシントンポストの買収など、ビジネスにおける数々の名誉を手にしている人物です。

ジェフベゾスの子供時代とは?

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ジェフ・ベソス氏は、ニューメキシコ州アルバカーキにて10代の母親の元に生まれましたが、両親は1年ほどして離婚、ベソスは母に引き取られ育てられました。5才の時に母親はキューバ系アメリカ人と再婚し、家族でテキサス州ヒューストンに移住しました。

テキサス州の初期の移住者である母親の先祖が得た約39平方マイルの牧場で青春期の大半を過ごしています。幼少期から様々な科学的関心を示していたベソス氏は電気アラームを使って自分の部屋に弟妹を淹れないようにしたり、理科の実験のために両親の車庫を実験室に改造したりしていたようです。高校時代にはコンピュータに興味をもち、物理学を専攻するために入学したプリンストン大学でも計算機科学と電気工学の分野に専攻を変えて、それらの学士号を取得しました。

プリンストン大学でのベソス氏の卒業スピーチは感動的です。自分自身をよく見つめることにより、自分の才能が何であるかがわかるでしょう。「結局今の私たちとは、過去に私たちが選択した結果なのです。自分自身で素晴らしい物語を作りましょう!」

私たちの人生も、何をイメージし、選択するか、どう行動するかで無限に切り拓けるのだということが伝わってきますね

ベゾスの異様な赤字での先行投資を続ける経営スタイル

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アマゾンは、大量の商品群のたくさんのストックを持つ、巨大な倉庫がある、送料無料など顧客ファーストの経営スタイルです。「倉庫こそアマゾンの最大の資産」を明言し、その後大量に投資を行って累計赤字は1兆円にも達したのです。もちろん、膨大な赤字に投資家や株主から大バッシングを受けました。それでもベソス氏は方向転換しません。周囲の批判もわれ関せず、投資を続けついに6年間かけて2003年に黒字化を果たしたのです。

他のECとは違い、大量の在庫をもち、最高の顧客体験を実現するためには自社が在庫を持ち流通のハンドリングを握るという点に気付き、そのスタイルに向かって誰になんと言われようと突き進む。徹底した顧客目線、リスクを背負ってもその姿勢を貫き待つ経営を続けたベソス氏。ビジネスの神髄が見えてきます。市場は彼のスタイルを明らかに信頼しているのが、私たちの生活にいかにアマゾンが浸透しているかで、もうわかりますよね。

シリコンバレーの他のIT企業と比較したAmazonの企業文化

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アマゾン、というよりもベゾスは本当に厳しい男として名を馳せています。彼はシリコンバレーで流行の手厚い福祉厚生に手を出しません。彼らは、Googleの 20%ルールや、facebookにおけるハッカソンなどに代表される、「自由で創造的な社内文化」という企業ブランディングとは無縁です。

ベソスのキャラクターはスティーブ・ジョブスの死後までそれほど注目されることはありませんでしたが、独裁制についてはジョブズに通ずるものがありそのことがプラスに働いている面は多いです。世界のEC業界で一番恐れられているといっても過言ではないかもしれません。

彼の会社がやっていることは世界一の検索エンジン、そしてSNSといったものに比べて地味な印象です。そして、他のIT企業のように社内の創造性を高めてイノベーションを起こそうとはしません。

むしろ授業員は徹底的に使い倒すことで彼の世界を実現してきました。このストイックな経営スタイル、そして価格やサービスそのもので勝負する企業文化が、盤石な帝国を作り出しています。

開発者に大きな恩恵をもたらしているAmazonが提供するAWS

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AWS(アマゾンウェブサービス)はソフトウエア・ビジネス史上最速で成長しています。その成長性は、2013年の収入が31億ドル、2012年の収入は19億ドルでした。2年ごとに倍に増えるスケールです。2015年にはさらに67億円までになるといわれています。アマゾンが開発者にも大きな恩恵をもたらしていますね。支持されるにはわけがあります。

AWSは競合15社を合わせた5倍の処理能力を保持しています。そして、デベロッパーが材料調達を済ませるために最も好ましい選択肢となっているところがAWSがクラウドの王者となっている理由です。そして、現在一人勝ち状態のAWSを超えようとする競合15社たちにも大きな影響を及ぼしています。

実は宇宙開発の会社への投資も手がけるベゾス。Ruby on Railsを生んだ37signalsの投資家でもある

宇宙開発会社への投資

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アメリカの成功者たちが次々と宇宙ベンチャーを立ち上げ、開発を競っています。その中の1人であるジェフ・ベソス氏はしかし、競合他社とは違う動きを見せています。64年生まれで、幼少のころにアポロ計画の成功を見た原体験を持っている彼は、00年にブルーオリジンと呼ばれる企業を立ち上げ、多くの人に宇宙旅行を楽しんでもらうことを目的にしています。

他にも自身の投資会社を立ち上げ、アポロ11号の第一段ロケットを海から回収するという事業も行っています。宇宙開発においても、私たちに楽しみを与えるために投資をしているベソス氏です。 

37signalsへの投資

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37signalsはRuby on Railsを開発運営しているウェブアプリケーション事業の会社です。彼らは逆に、少ない投資で大きな利益を生むビジネススタイル。30ものベンチャー企業の出資申請を断っています。そんな彼らが唯一出資を受けたのが、このジェフ・ベソス氏です。CEOのジェイソン・フライド氏はベソス氏のような経験を持つ人物のアドバイスと指導が欲しかったためだそうです。そんな37Signalsも、独自の企業哲学を構築し、成功を収めている会社です。