Webマーケッター佐々木 真さんインタビュー

フリーランスマーケター 佐々木真さんに『インターネットの世界で自分の創りたいものをつくることの重要性』についてお話を伺った。

佐々木真(ささき しん)さんは、大学在学中からIT・教育系ブログGREAT GEEKSなどのメディアの運営やIT系ベンチャー企業でのソーシャルメディアマーケティングアドバイザーなど、インターネットの世界で自ら情報発信する場を作ってきた人物である。現在は、今年6月に大学を卒業し、フリーランスのマーケターをしながら株式会社ドリコムの子会社を設立するチームにジョインして起業準備中。それと並行して、オンライン英会話ラングリッチのマーケターなど複数のベンチャー企業とも仕事をしている。

今回のインタビューでは、『インターネットの世界で自分の創りたいものをつくることの重要性』についてお話を伺った。

◆佐々木さんは、これまでどのような学生生活を過ごしてきましたか? アルバイト、インターンシップや趣味・夢中になっていたことがあれば、教えてください。

大学1,2年の頃は基本的に大学の勉強しかやっていませんでした。大学がかなり忙しかったですし、英語の授業について行くのが大変でしたからね。大学3年の時にとあるITベンチャー企業のインターンシップを始めて卒業まで1年半働いていたのですが、興味が勉強からビジネスに移ってしまってからは学校の勉強は一切勉強しなくなってしまいました(笑)。

大学入る前からも含めて共通しているのは、『好きなことしかやってない』ってことですね。

私の大学の専攻が言語教育で、第二言語習得論外国語教授法を勉強していました。第二言語とは簡単に言うと、『日本人にとって外国語をどのように習得していくのかを研究する学問』です。大学生に入学した時は教職(教員免許を取る授業計画)をとって、学校の先生になろうと思っていました。

ただ、残念なことに勉強すればするほど日本の教育システムの問題を知り、疑問を持つようになりました。そして自分が考える教育は教師になることでは実現できないと思い、途中で教職辞めてしまいました。

日本の教育の問題って本当にいろいろあるんですけど、例えば世界一教育水準が高いと言われているスウェーデンと日本を比較すると分かりやすいですね。スウェーデンではまず、教師の質が違うんですよ。スウェーデンは教育に国がかなりのお金をかけていますけど、日本はすぐに教育費から削りたがりますよね。

それに決定的に違うのは、教師における社会的地位です。

日本はそもそも教師の質が低い

日本で教師になることは「就職できなかった時の保険で、教員免許をとっておくか」くらいの扱いですよね。スウェーデンで教師になるということは、日本でいう、医者や弁護士になるのと同じくらいすごいことなんです。

それにスウェーデンでは科目指導の教師は部活の顧問などの雑務もやらないので、自分の教える科目に100%集中できる。そうなれば必然的に授業の質も高くなって、教育の質も高くなるんです。

大学時代の私よりも英語のできない先生が、高校生に英語を教えていたりするんです。それではどれだけカリキュラムが素晴らしくても、良い授業ができるはずがないんです。こういう現状を見て、教師になることがベストな解決方法ではないと思い始めました。
そうして私に何ができるかと考えた結果、ビジネスサイドから出来ることを追求しようと決意しました。そういった経緯もあり、英語学習ブログやIT×教育をテーマにブログを書くようになったんです。

◆佐々木さんの運営されるブログGREAT GEEKS拝見させていただきました。ブログを始めたきっかけを教えていただけますか? 

普通ブログって、アメブロやココログなどの個人ブログから始めるのが一般的ですが、私の場合は少し特殊で、いきなりITメディアのオルタナティブ・ブログ(以下オルタナブログ)を書かせていただくことになったんですよ。きっかけとなったのが、

就職活動の始まる大学3年の夏ごろ始めたTwitterでした。

私、当時はかなり生意気なことたくさんつぶやいていたんですよ(笑)。

例えば私スーツ嫌いなので「スーツを着る面接が嫌だ」とか「エントリーシートを手書きで書く意味がわからない」とか「新卒一括採用なんて世界で見ても日本だけだ」とか、そういうことをつらつらと。

そしたらループス・コミュニケーションズの加藤さんに、目をかけていただいたんです。その時、ちょうど面白い学生を集めてIT企業でインターンシップをやろうかって話をしていたところだったらしく、そこからループス・コミュニケーションズでのインターンシップが始まりました。最初はプロジェクトのお手伝いがメインだったのですが、加藤さんがオルタナブログを書くことになったタイミングで「ループス・コミュニケーションズのインターンシップならぜひオルタナブログを書いてみないか」というオファーをいただいたんです。

当時は面白そうだったので二つ返事でOKしたんですけど、後になって普通、学生はこんなブログ書かせてもらえないことに気づきました(笑)。書いている人たちは、皆、有名企業の元社長とか、ベンチャーの会社経営者とか、そういう人ばかりで。そんな環境にブログを書いたこともない大学3年生が放り込まれたんです。すごく緊張してブログ記事1つ書くのに12時間くらいかけて書いたこともありました。更新ボタンを押すのに指が震えたのも覚えています(笑)

でも今思うと、普通の学生生活をしていたらできないとてもラッキーな出来事だったと思います。

IT企業での有給インターンシップに行っていて、本当によかったと思った経験ですね。

実はですね、今日、佐々木さんのTwitterでの気になる発言をご用意しました!

え、どのへんのものですか!!(汗)

たとえば、これ。

「教育を内側からじゃなくて外側(ビジネスサイド)から変えていくしかない!」

いつごろのやつですか!!

いやほんとにあのころは生意気なことつぶやいているだけで、それを気に入っていただき、ひょんなことでブログを書かせていただくことになって。本当に偶然でしたねー。

いやー、つぶやいてみるもんですね(笑)

そうですね、それはすごく思います。まずはやってみる。それを見てくれる人は意外といるような気がします。

◆ブログを運営するようになってご自身の立場などが変わりましたか? 

私はブログで「IT×教育のブログやっています!」とはっきり明言するようになってから同じテーマで興味がある人を紹介してもらえるようになったりしましたね。そこからかなり人脈が広がり、いろいろな人と会うことができました。個人でやっている英語学習ブログもこのおかげでラングリッチという英語学習サービスからお声掛けしていただいたりしますね。

ブログを通じて「私はこれをやっています!」ということをはっきり明確に言ったことで、覚えられやすくなり、それぞれの方面での人脈が広がっていったように思います。

◆ご自身が SNS を使うときに、こういう発言はここに投稿しよう、だとかって自分の中でのルール付けはされているんですか?

特に意識はしていないですね。最低限のマナーを守れば自由に使えるものだと思っていますし。例えば、Twitter を使って友達と会話したりもしますし、くだらないことから真面目なことまでつぶやきます。本当にいろんなネタをキュレーションしてつぶやいたりしていますね。そして、そのネタの中でちゃんと体系的にまとめたいものがあるときは Facebook を使ったりする感じです。基本的に Facebook は友達がリアルな友達ばかりなので、リアルな友達と共有したいことだけ書きます。

ただ思うのはオンラインだけでコミュニケーションを完結させるのは難しいということです。インターネット上で100回やりとりしても、リアルで1回あったほうが仲良くなれる。ソーシャルがきっかけで仲良くなることはあっても、それだけで関係が深くなることはあまりないと思っています。仲良くなりたい人とはご飯に行ったりプライベートでも話す場を積極的に作るようにしていますね。

◆佐々木さんの“創りたいもの”って何ですか?

たくさんありますけど、一つはブログを通じて、自分が大学で学んだことや今まで仕事で培ってきたことが価値を持つのだと証明したいです。

今の大学での学びって社会人になったら役に立たないと言われますよね。けど、それはすごくもったいない。大学での学びでも遊んで得た知識でも、それを発信することでその知識や経験を求めている人はいると思うんです。

例えば私の場合、言語教育の知識があることで出来る英語学習方法の発信や教育を見る視点などがあると思っています。こういったことを求めている人は大勢いますし、きっと正しい方法をとれば社会的な価値に還元できると信じています。英語学習ブログは世の中たくさんありますが、言語教育の科学的な観点から記事を書ける人はそう多くないはず。きっと自分にこそ出せるバリューがあると信じています。

◆佐々木さんの“創りたい仕事”とは何ですか?

特に創ろう!という意識はありませんが、ただ企業に依存する生き方も、誰かに依存する生き方もしたくないので、どこにいても佐々木真として仕事を貰いたいってのはありますね。あの会社にいる誰かじゃなくて、佐々木さんがいるんだからあの会社イケてるんでしょって思われたいです。

これはフリーランスとして活動していてもそうですし、企業にジョインしても変わらない姿勢だと思います。どこにいてもバリューを提供できる仕事を創っていきたいと思っています。

◆現在されている起業準備とは具体的にどういったものですか? 

ゼロからの起業なので本当に色々とありますが、サービスの企画から開発、ユーザーリサーチなどのマーケティング、サービスを作る上での法律的な勉強・準備などなど、会社を作る上での必要なことは全て準備ですね。ここは普通の起業とあまり変わらないと思います。うちの会社は親会社100%出資なので、親会社との兼ね合いもありますし。

◆では、その入社後のビジョンってありますか?

新しい会社なので私が一人で決めることでもないですし、話し合って活動していきたいでし。これから皆で創っていくので、ビジョンメイキングからしっかりやっていきたいですね。個人的には“誰でもスマートフォンを楽しめるようなアプリを作りたい”という想いがあるので、それも他のメンバーとビジョンを共有して徹底的に話し合っていきたいです。

◆スケールを少し広げて、20代のうちに必ずやり遂げたいことはありますか?

全然わからないですね。1発目のサービスがこけたらそれはそれで終いだし、セカンドチャンスはないつもりで行動するようにしています。よく友人には、「戦略的に生きてそうだよね」と言われるんですけど、実は何も考えてないです(笑)。今目の前にあることについてベストを尽くすことしか考えてないんです。もし私がここまでの人生である程度上手く仕事についてこなせてきているのだとしたら、『1つ1つをしっかり積み重ねて今がある』のだと思います。

それも、一種の才能だと思いますけどね。

いやぁどうなんですかね。ただ人のご縁や周りの人の手助けがあって何とかやってこれているなと痛感しています。私のような駆け出しの社会人を信頼してくれる人たちへの感謝は忘れないようにいようと心がけています。

先のことにあまり興味ないのですか?

正直、長期的に自分の人生を考えるのが苦手なんですよ。今は社会の変化が早いし大きいですから、今戦略的にうまく生きようとしてもムダだと思いますし。だからこそ『今目の前にある一個一個に全力を注いで、積み重ねていくしかない』と思っています。

私にとって大事なのは、いま目の前のこと。先のことを考えるのは苦手です。会社を創る上でビジネスの戦略は考えますけど自分の人生なんてわからないので。だから10年後、20年後に本当、一切興味ないんですよ。いつどこにいても、やりたいことやるだけだというスタンスは変わらないと思います。

◆最後にプログラミングを学びたい学生に向けたメッセージをいただけますか?

最近意識するのは、『一芸は万芸に通ず』という言葉です。

私の場合、英語を極めたらそこから仕事につながったり、講演やプレゼンのお願いがきたり、またそこから新しい仕事につながったりしました。一個のこと突き詰めていけば、そこから色々な出会いが待っているし、いい経験になると思います。

今の学生にありがちなのが、「何やったらいいかかわからない」という状態。何やったらいいのかわからないのであれば、まず興味のあることを一つ突き詰めてみたら良いと思います。まず行動すれば、開けることはたくさんあるでしょうし。

これだったら好き、これならやりたいなって思うことを一個やってみればいい。やってみて思っていたのと違うなら、方向転換すればいい。それこそIT企業における有給インターンシップにいってみるというのは、そのような一つの選択肢になりうると思います。

とにかくまずは、「学生の中ではこれなら右に出るものがいない!」と言えるところまで極めれば、見えてくるものもきっとあると思います。それに、その一つを選ぶときは割と直観的でいいんじゃないですかね。一日の暇な時間でやっているくらい好きなことでもいいし、やってみたいことでもいいと思います。

とにかくやりたいことがあるなら突き詰めればいい。

私はブロガーとしても活動しているのでブログに関して言えば、「私、ブログやりたいんです」って人は、やらないほうがいいと思うんです。経験上そういう人は十中八九、途中でやめます。なぜなら、やりたい人は勝手にやり始めますから。

私なんかは好きで勝手にやっていますし、ほっといてもうやり続けると思います。それってプログラミングなどでも同じだと思います。プログラミングが好きなひとはほっといても家で一人でやるじゃないですか。なんでもそうです。

ブログやり始めるのは簡単ですけど、継続することは本当に大変です。だから打算的な考えでブログを始めるなら最初からやめた方がいい。望んでいた結果が出る前に挫折してしまうでしょう。

ブログを仕事で使っていたら競合サービスのブログも当然意識するかもしれないですけど、私なんか失うもの何もないし趣味でやっているから続けられるんですよね。好きを突き詰めた結果上手くいっただけで、本当に好きなことを突き詰めていったら、結果的に他の人にはマネできない差別化ポイントになると思います。

とてもいい言葉でした。ありがとうございます。

まあ、あんまり偉そうなこといえないですけどね。私、本当に無計画人間なので(笑)

楽しいからやる。ただそれだけです。 

本日はお忙しい中にもかかわらず、ありがとうございました。

こちらこそ、楽しかったです。どうもありがとうございます。 

今回、佐々木さんの話を聞いて思ったのは、手段はどうあれ、本気の意志がある人に運は必ず転がってくるということだ。教育を変えたいだとか、現状を変えたいという熱い思いがあったからこそ、様々なチャンスを掴むことができたのではないか。インターネットの世界のものづくりには、理想を追い求めるあくなき情熱がなによりも大切だということかもしれない。佐々木さんのように学生時代からIT企業で有給インターンシップを経験しておくのもいいのかもしれない。

(取材・文/佐藤 雄紀)


≪プロフィール≫

佐々木 真 (ささき しん)

IT×教育の融合はライフワーク。いつでも・どこでも・誰でも学びたいことを学べる世界を創るのが夢。現在はフリーランスのマーケターとしてベンチャー企業を中心にマーケティング・アドバイザーをしています。並行して、株式会社ドリコムの子会社を設立するチームにジョインして起業準備中。えいごパンダと呼ばれたり呼ばれなかったり。

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