ストリートアカデミー株式会社

これまでの経歴についてお聞かせください。

福祉や生活の安心を守る仕事がしたいと思い、大学院を出た後にセコム株式会社に入社しました。大企業特有の絵に描いたような昇級システムがあり、年に1回昇級テストがあって皆上がっていくということに将来性を感じることができず、よりチャレンジしたいという気持ちを持っていました。
自分が本当にしたいことは何なのかを真剣に考えて、自分のタイプからすると大企業ではなくベンチャー企業なのかなと感じました。また海外にも憧れがあったので、外資系で自分自身のプログラミングスキルを現場で磨けるような企業を探しました。
医療画像システムの開発をするテラリコン・インコーポレイテッドという外資系の日本支店に入社し、プログラミングを一から勉強しました。シリコンバレーに本社があり、年に2回長期でシリコンバレーで開発をしていました。
3年ほどで、映像系ソフトウェアの輸入販売を行う株式会社クレッセントに転職しました。輸入販売だけではなく画像開発制作も行っていました。その会社にいた時期にiPhoneが発売されて、スマートフォンという次の波が来ると確信していました。
その時期に、東工大出身の知り合いが株式会社コニットというスマートフォン向けサービスを開発するベンチャーを立ち上げていると知って連絡をとり、立ち上げから1ヶ月後くらいにジョインしました。そこで自社サービスの開発をしましたがあまりうまくいかず、エンジニア不足であった株式会社ミクシィに買収されて、そのまま働くことになりました。
ミクシィに3ヵ月ほどいた後、自分は専門性のあるベンチャーが好きだという自覚があったので、ソニーコンピュータサイエンス研究所からスピンアウトしてできたクウジット株式会社に入りました。O2Oのサービスに携わり、Androidのアプリケーション開発を担当しました。
仕事は楽しかったのですが、その頃、自分で主体的にやりたいという気持ちが強くなり、教育系、医療系、福祉系を中心にいろいろと探していた時期にクックパッドで行われていたミートアップイベントに参加しました。そこで現CEOの藤本が、ストリートアカデミーのサービスについて話していて、サービスの概要やコンセプトに共感することができ、それから半年ぐらい遠隔でお手伝いをした後にジョインしました。

様々なフェーズの会社を経験されたからこそ感じる、エンジニアがキャリアを積むうえで大事なことをお聞かせください。

プロのプログラマーとして生計を立てて生きていきたいならばベンチャー企業に入るべきだと思います。
メガカンパニーの場合、仕様や設計がメインで、自分でプログラムを書くことはありません。システムエンジニアとして何かを作るのであれば、プログラムからきちんと学べて最先端技術に触れる機会が多い、スタートアップやベンチャーのほうが自分を伸ばせると思います。20代でそれを経験するかしないかは、その後大きく影響すると思います。
IT業界では、最初は小さい会社でも、技術があれば大きい会社にスムーズに転職できますから、20代は深い経験を積むことに特化したほうがいいと思います。
自分の新卒時は、スタートアップやベンチャーが今のように沢山あったわけではないですし、投資家やVCでさえいなかった時期でした。今は勉強会や人と出会う機会も溢れるほどあって、ネットで検索すればすぐに出てきます。今はいろんな選択肢があるし、意欲さえあれば何でも叶うと思います。

貴社の特徴や今後の展望を読者の方に向けてお聞かせください。

「学びをあたりまえにどこでも」をコンセプトにしています。どこか田舎の町でストリートアカデミーが開かれていたりするのが目標ですが、今は東京や地方都市だけでまだまだです。カルチャーセンターもありますが、シルバー寄りのようなところもあるので、若者でも誰でもというところを目指しています。
多くの人に使ってもらうために、よりアクセスしやすくすることは開発側の使命です。今プラットフォームとしてはWeb、Android 、iOSですが、それぞれに必要な分析基盤、例えばレコメンデーションのエンジンなどを作りたいと考えています。本当にその人が行きたい講座を提供するということを追い求めていきたいと思います。
また、UIやUXもこだわっていきたいです。ユーザーも何万人とついてきていますし、月次20%以上の成長が半年ほど続いていて勢いはありますので、そこでデータも増えてきているところで最適なことをやりたいと思っています。
一番大事にしているのは学びを通じた出会いです。一つの場所で一緒にいる仲間と学ぶのと、インターネットを使ったオンライン教育とではモチベーションがはるかに異なるという点で、リアルさをとても大事にしています。結局人間というものはFace-To-Faceで会うと印象が変わったりするじゃないですか。自分たちはリアルなマッチングを追及していきたいです。
教育プラスアルファ人生を楽しくする何かを提供できることが他社と大きく違うところだと思います。オフラインで学ぶこと、人に会うことの楽しさを知ってほしいです。

貴社のインターンについてお聞かせください。

弊社ではRubyを主に採用しています。最初は、基本的な技術の向上や確認も含めて、チュートリアルがあるのでそれをまず一通り勉強してもらい、そこで派生するいろいろな技術内容も理解してもらいます。基本的な技術習得に最大2ヶ月はみています。逆に言うと、面談の際に2カ月でそのレベルまでいけそうかどうかを見ています。
あと、プログラミングが好きかどうかは結構見ています。大手で内定が出ていて、「今後のための一つのスキルとして必要だと思うのでやりたいと思います、就職するのは営業職ですが。」という人は採用しません。知識として押さえておきたいという意識では、1年間くらいでやっとさわれるようになって終わってしまうからです。
目的意識がはっきりした人、プログラミングが好きな人であれば、面談時にRubyの経験が無くても全く問題はありません。
インターンだからという制限はなく、主体性を尊重して仕事を任せていて、弊社のサービス開発に直接携われると思えば、本番のWebサービスの実装をしてもらいます。まずは直接ユーザーに影響のないような所、例えば管理画面の何かを追加するなど、段階的に難易度の低いタスクから任せています。今はネイティブのアプリも開発していますが、基本はWebなので、Webをマスターした段階でiPhoneやAndroidのアプリの開発にも携わってもらうというフローです。
開発にあったってはメンターをつけて基本的なことをチェックしています。インターンとして入って来る学生の多くは、社会人経験も無くチーム開発の経験も無いので、そのために必要な知識を身につけさせるような指導を心がけています。