インターネットとはなんなのか?

インターネットとは?

今ではわれわれの日常に欠かせない存在となったインターネット。まずはここまで進化したプロセスについて簡単に振り返ってみましょう。
1950年代、コンピュータの発展が始まり、コンピュータ同士の1対1接続が可能になりました。その後1960年後半にはパケット交換ネットワークが開発され、現在のインターネットの起源と言われるARPANETが構築されます。これにより複数のコンピュータの同時接続が実現しました。
1980年前半には、インターネット・プロトコル・スイート(TCP/IP)が標準化され、TCP/IPを採用したネットワーク群を世界規模で相互接続することが可能になり、インターネットという概念が世に広まり出します。
インターネット接続が可能になった当初は、電子メール、ネットニュースの配信、ファイル転送が主な用途でした。その後World Wide Web、インターネット電話、検索エンジン、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)など用途が広がっていきます。これに伴い、われわれのヒト・情報とのつながり方が大きく変わったことは皆様も体感していますよね。
最近ではコンピュータに加えて、携帯電話、ゲーム機、家電製品、産業機器などもインターネット端末機能を持つようになりました。接続形態も、有線やダイヤルアップ接続に加えて、無線通信が一般化しつつあります。

インターネットの作成者とは?

出典 : link-man.net

インターネットを作った人物としてよく取り上げられるのが、アメリカのアル・ゴア元副大統領です。しかし、この話は本当なのでしょうか?
ゴア元副大統領は、上院議員在職中に情報スーパーハイウェイ構想を掲げ、インターネットの発展・促進に大きく寄与しました。しかしこの構想は、全米のすべてのコンピュータを光ケーブルなどによる高速通信回線で結ぶという内容で、インターネットを一から作ったという表現は、過大と言えましょう。
では、インターネットが作られた真の経緯はどのようなものなのでしょうか?

インターネットの作成した目的とは?

インターネットは冷戦時代に核攻撃下でも耐えうる軍事的な通信手段として開発が進められたという一説もありますが、それがすべてではないようです。
当時はネットワークが存在せず、メインフレームという大規模なコンピュータが使用されていました。そこには同時に複数のコンピュータが接続できず、研究者たちも改善の必要性を感じていました。
複数のコンピュータを同時接続できる「タイムシェアリングシステム」という概念が生まれ、その実現に向けて研究が進む中で発明されたのがARPANETです。

ARPANETとは?

出典 : www.thejota.com

ARPANETは、アメリカ国防総省高等研究計画局による資金提供で、複数の大学と研究機関によって開発が進められました。その最大の特徴は、世界で初めて運用されたパケット通信ネットワークであることです。
パケット通信は、コンピュータのデータをパケットに変換し別のコンピュータに送信するもので、イギリス国立物理学研究所によって開発されました。
ARPANETは、当初4か所の大学と研究機関の間で接続されました。その後軍事目的部分がMILNETとして分離し、ARPANETは学術ネットワークとなり、この段階でTCP/IPが採用されました。このことは今日のインターネットにおけるTCP/IPの使用に大きく関わっています。
1980年後半、全米科学財団により構築されたNSFNetの拡大に伴い、ARPANETは縮小していきます。同時期より商用のインタネットサービスプロバイダも台頭し始め、ARPANETは1990年に正式に退役しました。

ブラウザの誕生

出典 : tw.rpi.edu

ネットワークの相互接続が可能になり、次なる課題は情報共有のシステム、閲覧の手段でした。
当時、通信のすべてはテキストベースで行われており、文字を識別するだけでも難しいものでした。これを解決したのが1980年代に欧州原子核研究機構に在籍していたティム・バーナーズ=リー氏です。彼は「http」「HTML」「URL」を設計し、世界初のブラウザであるWorld Wide Webを生み出しました。
インターネットでのブラウジングが可能になり、現在のインターネットの基礎が構築されました。商用への算段も立つようになり、一般への普及に向けた動きが世界規模で加速しました。