カメラアプリ「Primore」のビジネスモデル

今回は、かわいい株式会社が配信する写真デコレーションアプリ「Primore」を例に取り、カメラアプリのビジネスモデルについて解説をしていきます。

そもそも、どんなサービスか?

まず、このアプリの説明ですが、「人」だけを捉えて写真をきれいにできる他、デコレーションしてかわいい写真を作れるアプリです。SNSでのシェアも可能で、女の子を中心にバイラル(クチコミ)で広がっているサービスになります。

図:タッチ一つで写真をかわいく編集できるカメラアプリ。10代女性を中心にダウンロードされている。

このアプリは、上記の「バイラル」に成功しているアプリです。SNSで写真をシェアすると、気になった友達がどうやって写真を作ったのかを聞き、写真を撮ったユーザーがPrimoreアプリを教えることで加速度的にダウンロード数を増やしています。同じようにバイラルによりダウンロード数が多くなったアプリとして、「CocoPPa」が挙げられます。

このサービス、一体どうやって収益を上げていくのでしょうか?分析をしていきます。

カメラサービスとしての立ち位置

この「Primore」というサービスを、アプリという視点から少し広げて、カメラサービスという立ち位置で見てみるとわかりやすいと思います。では、数あるカメラサービスの中で、どのような立ち位置に属するのでしょうか。他のカメラサービスの例を挙げながら解説していきます。

BtoBでのビジネスモデル「ピクスタ

ピクスタは、アマチュアカメラマンの写真素材と、中規模・小規模の法人(主に制作会社)をつなぐプラットフォームサイトです。カメラマンが取った写真・映像を、Webサイトやポスター、映像制作活用のために、最低単価525円で購入する仕組みとなっています。

図:ピクスタのHP。カテゴリ別に必要な写真・映像素材をダウンロードできる。

このサービスの場合、緊急で制作ニーズがあるものの、必要な写真素材がなかなか得られない法人と、自分の腕をアピールしたい、ちょっとした小遣い稼ぎがしたいアマチュアカメラマンをマッチングすることで、多くの手数料収入を獲得している会社の事例になります。

ある程度資金に余裕があり、多くの金額を出してくれる法人にターゲットを絞っています。こういったサービスの場合、一度サイトを立ち上げておけば、サーバー代以外はほとんどコストがかからないため、安定した収入を得られるモデルになります。また、似たモデルで定額課金も提供する「PHOTOS.COM」というサービスもあります。これらのモデルは、モバイルでの収益を上げるというより、PC上での課金、収益化を図っているモデルです。

CtoCのビジネスモデル

これはサービスというよりは、海外のフリーランスカメラマンが個人のサービスとして提供している場合が多いです。旅先の観光客をターゲットに写真を撮影、URL付きの名刺を渡し、そこにアクセスした観光客に自分が写っている写真をPaypal経由で購入してもらうビジネスモデルです。小規模に行うビジネスではありますが、カメラマンがきれいな写真を撮ってくれるため、ついつい買ってしまう心理を突いたサービスです。日本だと修学旅行の写真を学校に張り出して、学生・保護者に買ってもらうモデルと近いですね。

Primoreは、カメラアプリにおける「LINE」の立ち位置

LINEなどのサービスと同じく、BtoC向けのサービスとしての位置づけに近いです。現段階では、マネタイズよりユーザーを獲得することに注力しているタイミングだと考えられますが、ユーザーさえ集まってしまえば、アプリ内広告や他アプリ・サービスへの誘導等、いかようにもマネタイズすることが可能です。

マネタイズに関しては、スタンプ等を発行してアプリ内課金を行うこともできますし、ユーザーにプラットフォームを開放し、ピクスタのように手数料で収益を上げる事も可能です。こういったタイプのビジネスモデルは、一度ユーザーを獲得してしまえば高効率な収益モデルをいかようにも組み立てられるため、成功すれば最も効率がよいビジネスモデルとなることでしょう。

優良顧客になりうるターゲットとして、アプローチすることも可能

これは、最近の例だとドラゴンクエストのアプリを例にとるとわかりやすいと思います。ドラゴンクエストⅠを100万人に無料でプレゼント(ダウンロード)するニュースが話題になりましたが、優良顧客を獲得するという観点では非常にうまい手法だと考えられます。

仮に課金をした場合で想定すると、例えば315円×100万人=3億1,500万円(!)ですが、この収益になるはずだった金額を、そのまま広告宣伝費として捉え直すと、カラクリがわかってきます。

このドラゴンクエストのアプリ、ダウンロードをすると自動的にプッシュ通知が届くようになっています。プッシュ通知は、スマートフォンを開いたタイミングで必ず見ます。スクウェア・エニックスはアプリを無料で提供することで、100万人の優良顧客に対して新しい商品をアプローチする手段を手に入れたと考えることができるのです。

通常、セグメントされた顧客に対してメールを送ろうとすると、1通当たり200円以上のコストがかかることはビジネスの世界においてはザラです(そもそもセグメントされた100万人のリストなど通常では存在しませんが)。

そう考えると、たった2回で広告宣伝費がペイできると捉えれば、非常に賢い方法だと考えられるのではないでしょうか?

つまり何が言いたいのかというと、何かしらの形でターゲットとなるユーザーを獲得できていれば、その後関連サービスの告知をする時に、非常に確度の高い顧客リストへアプローチができるようになるのです。

そういった意味では、手段は違えど、Primoreは10代~20代の女性(ビジネスにおける金脈と言われる層です)を獲得できるため、その後のアプローチ、収益化という面で注目をされています。

 

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